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真鍮+Niメッキ部品にレーザー溶接で強度アップ

2021年3月29日 月曜日

プレス金型で製作した省力化機器(FA)用部品の強度が不足していて

問題が起こった。

2部品をカシメで接合しているが、弱く、位置ずれを起こすために

正確な摺動が求められる部品としては使えない。

半田付けで補強して、結合が強く、位置ずれも無くしたい。

プレス金型でカシメ部の修正や、カシメ部の追加もできるが、

円筒部品の内側に別部品を接合しているので、しっかりと

精度あるカシメができるのかリスクが高い。

指定部に半田付けをして欲しい。

大手メーカー様より、ご要望がありました。

素材は真鍮なので半田付けに問題がありませんせんが、Niメッキで

コーティングしているので要求スペックが満たせるのか?

そこがわからない事を説明して、3個試作させていただきました。

※試作数量3個でお願いした理由は、1個ずつの半田付け精度に大きく

個体差が出ないかを確認するためです。

結果、半田付けは強度的に強く強度アップできましたが、手作業のため

一流の職人でないと品質にバラツキが出る事がわかりました。

当然の事ですが、一流の職人でも一定の時間が掛かり、丁寧に作業

しなければならないため、費用面が合いません。

並の職人にも試作してもらいましたが、3個で大きなバラツキが出てしまい、

強度も不足していて 量産ではまったく使えません。

半田付け以外の方法があるかのご相談がありました。

そこで、接着やYAGレーザー溶接を提案。

海外にも販売するので、 RoHS対応も必要だとの事。

指定有害物質を含まない接着剤や溶接棒を選定して各3個ずつ試作しました。

納品後にお客様で強度や精度のテストしていただきました。

結果は、① YAGレーザー溶接 ②半田付け③接着という順位になりました。

接着も接着剤がはみ出したり、接着強度も不安定、使用時に安定して

接着されたままなのかも不明なので不採用となりました。

YAGレーザー溶接は1個1個が安定した品質で、強度も歪もなく高品質。

価格もターゲットプライスに何とか届き、採用されました。

そこで、溶接棒のMSDSを提出。

お客様の含有化学物質調査シートも記入して提出。

量産部品で YAGレーザー溶接がご注文となりました。

こういったお困りごとに貢献できる事は大変喜ばしく、役立って

褒められる事がもっともありがたい事です。

更なる能力アップを図り、すべてのお困りごとを解決するという

理想に少しでも近づいていきたいと思います。