01
ラフスケッチとイメージモックから形状検討
02
3Dデータと外観モックを繰り返し製作
03
レンズ・LED・基板・リアケースを設計・試作
04
簡易金型で射出成形し、組立・点灯確認後に量産納品
「どこに電話しても断られるのですが、製作できませんか」とお電話をいただいたことが、この案件の始まりでした。
ご相談いただいたのは、新型バイクに使用するウインカーでした。最初にあったのはフリーハンドのラフスケッチだけで、細かな形状までは読み取れない状態でした。その後、お客様自身で粘土を使ったイメージモックを製作していただきましたが、レンズ内側の形状については大まかなイメージしか決まっていませんでした。
ただ、漠然としたイメージを実際に製造できる形状へ落とし込むことができれば、加工そのものが特別に難しい案件ではないと判断し、ご依頼をお受けしました。
ウインカーのような外観部品は、複数のR形状が滑らかにつながり、少しずつ形状が変化していきます。こうした繊細な曲面形状は、3D CADによるモデリングが力を発揮する分野です。
最初に作成した3Dデータを確認していただいたところ、「イメージと全く違う」とご指摘をいただきました。こちらから見ると、お客様が製作されたラフモックとの違いを十分に読み取れず、そこから細かなヒアリングを重ねながら何度もデータを作り直しました。
3Dデータを確認していただくたびに、新しいデザインのアイデアも生まれてきます。そのため、途中からは単に図面をデータ化するのではなく、3Dデータそのものを使ってデザインを検討していく進め方になりました。
ただ、画面上のデータだけでは外観の印象を判断しきれません。そこでケミウッドを切削し、ボリュームモックとして実物大の試作品を数回製作しました。実際に手に取って形状を確認していただきながら修正を繰り返し、まず外観デザインを確定しました。
次に検討したのが、透明レンズの内側形状です。レンズ内部の見え方についても、お客様のイメージを言葉だけで正確に共有するのは難しいため、過去に当社で製作したさまざまな形状のオリジナルサンプルを見ていただきながら方向性を確認しました。
バイクのウインカーは、外側のフォルムだけでなく、点灯したときに見える内側のデザインも重要です。レンズカットについても、3Dデータによる検討と実際の試作サンプルによる確認を繰り返しながら形状を詰めていきました。
レンズ形状が決まった後はLEDの選定です。まず形状の異なる3種類のLEDを購入し、実際に点灯させて比較できる試作用部品を製作しました。その中から使用するLEDを決めていただき、次にLEDを2個、3個、4個使用した場合の試作品をそれぞれ製作しました。
実際の明るさや見え方を確認していただきながら使用個数を決定し、ウインカーとして必要となる法規上の性能についても確認しながら開発を進めました。
製作する部品は、透明レンズとリアケースです。リアケースについては「できる限り小さくしたい」というご要望がありました。そのため、LED基板とリアケースの形状を何度も設計し直し、その都度試作を製作してサイズを詰めていきました。
開発初期にはLED基板も当社で試作用に製作していましたが、形状が固まってきた段階からは基板メーカーにも協力いただきました。LEDの発熱を考慮したスペース、防水性を高めるための嵌合形状、接着しやすい接合部、配線を通す穴など、製品として必要となる細かな部分も一つずつ決めていきました。
量産数量は、販売が伸びても数千個程度を想定されていたため、本格的な量産金型ではなく簡易金型を製作しました。透明レンズとリアケースを射出成形で製作し、基板にはお客様のロゴマークを入れ、防水処理も行いました。
限られた予算の中で、可能な限り防水性能も高めています。
現在は左右セットで500個/LOTのご注文をいただき、在庫が少なくなると再発注いただくリピート品となっています。
最終的には、部品を成形して終わりではなく、基板やLEDを組み込み、組立後に点灯確認を行った状態で納品しています。
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