試作品で量産品質を確認したい方へ。試作金型を使うメリットとは
量産前の試作品は、「形が確認できれば十分」と考えられることがあります。しかし、開発が進むにつれて必要になるのは、実際に量産する製品と同じ条件で評価することです。
試作金型(簡易金型)の大きなメリットは、量産品と同じプラスチック樹脂を使用し、量産と同じ射出成形で試作品を製作できることです。外観だけではなく、組立性や寸法、機能、耐久性など、量産を見据えたさまざまな検証を行うことができます。そのため、開発から量産への移行をより安心して進めることができます。
試作金型と聞くと、簡易的な構造をイメージされることがありますが、基本的な金型構造は量産金型と大きく変わりません。そのため、ゲート位置やゲート数、押し出しピン(エジェクタピン)の配置などを確認しながら、製品に適した金型仕様を検討できます。
さらに、金型温度や射出速度、保圧条件などの成形条件を事前に検証できる点も大きなメリットです。量産時に安定した品質を確保するための条件出しができるため、量産立ち上げ時のトラブル低減にもつながります。
ウェルドラインの位置や状態、反りやヒケなど、実際に射出成形しなければ分からない現象も事前に確認できます。これらの課題を開発段階で把握し、必要に応じて設計や金型を見直すことで、量産後の大きな手戻りを防ぐことができます。
また、試作金型は量産金型に比べて改造しやすく、設計変更にも比較的スピーディーに対応できます。試作品を評価しながら改善を繰り返せるため、開発スピードを落とさずに製品完成度を高めることが可能です。
この考え方は、射出成形だけでなくプレス金型による試作でも同様です。量産と同じ工法で試作品を製作することは、製品だけでなく製造工程そのものを検証することにつながります。
数量がある程度必要な評価試験や量産試作では、試作金型(簡易金型)による射出成形は非常に有効な選択肢です。量産を見据えた開発を進めるためにも、早い段階から量産と同じ製造方法で検証することをおすすめします。
