ポリカーボネートでプロトタイプ試作品を製作する。
転倒により、バイクのエンジン部品に大きな打痕が入りました。
純正部品はダイカスト製で、黒の塗装仕上げ。
修理としては新品交換が一般的ですが、今回は「ただ戻す」のではなく、
オリジナルデザインの削り出し部品として作り直すことにしました。
最終仕上げは青アルマイトを予定しています。
まずは現物を3Dスキャンし、3Dデジタルデータを作成。
エンジンカバーは外観デザインだけでなく、
勘合精度が不十分だとオイル漏れなど致命的なトラブルにつながります。
そのため、寸法精度は特に慎重に検討します。
勘合部の取付穴ピッチ精度を高めるため、
いきなり本命材では加工せず、ABSで勘合確認用の試作を実施。
5回にわたりABS製サンプルを製作し、
0.01mm単位で穴位置を調整しながら、
実機に対して“ピッタリ”合う状態まで追い込みました。
内部形状についても工夫しています。
ダイカスト品とは異なり、削り出しのため強度を確保しやすく、
肉厚を最適化しつつ、リブ形状も細くシャープに設計。
無駄なボリュームを削り、軽量化を意識した構造としました。
今回のプロトタイプでは、内部構造を確認できるよう、
透明ポリカーボネートを使用。
CNCマシニングセンタでブロック材から削り出しています。
一時は乱反射を狙った格子状の表面加工も試しましたが、
意匠的に納得がいかず、追加工で再設計しました。
今後は、機械加工で発生したバリを丁寧に除去し、
磨き・研磨・透明化処理を実施。
表面粗度を整え、高透明な可視化モデルへ仕上げていきます。
内部についても、ボールエンドミル加工による筋を消すため、
段階的にペーパー処理を行います。
実務をこなしながらのサンプル製作のため、進行はゆっくりですが、
次回は透明化処理後の部品からスタート予定です。
ポリカーボネート試作のリアルな工程、ぜひ引き続きご覧ください。
