真鍮+Niメッキ部品にレーザー溶接で強度アップ
プレス金型で製作した省力化機器(FA)用部品の強度が不足していて
問題が起こった。
2部品をカシメで接合しているが、弱く、位置ずれを起こすために
正確な摺動が求められる部品としては使えない。
半田付けで補強して、結合が強く、位置ずれも無くしたい。
プレス金型でカシメ部の修正や、カシメ部の追加もできるが、
円筒部品の内側に別部品を接合しているので、しっかりと
精度あるカシメができるのかリスクが高い。
指定部に半田付けをして欲しい。
大手メーカー様より、ご要望がありました。
素材は真鍮なので半田付けに問題がありませんせんが、Niメッキで
コーティングしているので要求スペックが満たせるのか?
そこがわからない事を説明して、3個試作させていただきました。
※試作数量3個でお願いした理由は、1個ずつの半田付け精度に大きく
個体差が出ないかを確認するためです。
結果、半田付けは強度的に強く強度アップできましたが、手作業のため
一流の職人でないと品質にバラツキが出る事がわかりました。
当然の事ですが、一流の職人でも一定の時間が掛かり、丁寧に作業
しなければならないため、費用面が合いません。
並の職人にも試作してもらいましたが、3個で大きなバラツキが出てしまい、
強度も不足していて 量産ではまったく使えません。
半田付け以外の方法があるかのご相談がありました。
そこで、接着やYAGレーザー溶接を提案。
海外にも販売するので、 RoHS対応も必要だとの事。
指定有害物質を含まない接着剤や溶接棒を選定して各3個ずつ試作しました。
納品後にお客様で強度や精度のテストしていただきました。
結果は、① YAGレーザー溶接 ②半田付け③接着という順位になりました。
接着も接着剤がはみ出したり、接着強度も不安定、使用時に安定して
接着されたままなのかも不明なので不採用となりました。
YAGレーザー溶接は1個1個が安定した品質で、強度も歪もなく高品質。
価格もターゲットプライスに何とか届き、採用されました。
そこで、溶接棒のMSDSを提出。
お客様の含有化学物質調査シートも記入して提出。
量産部品で YAGレーザー溶接がご注文となりました。
こういったお困りごとに貢献できる事は大変喜ばしく、役立って
褒められる事がもっともありがたい事です。
更なる能力アップを図り、すべてのお困りごとを解決するという
理想に少しでも近づいていきたいと思います。