成形品の魅力
今日は射出成形のお話です。
(株)アリスでは樹脂板から切削加工する方法の他に、
樹脂を金型に流し込んで成形する射出成形の方法もやってます。
数が少ない場合には樹脂板から機械で削り出した方が良いですが、
量産となると、金型をつくった方が1個単価が安くなるメリットがあります。
しかも、金型さえ出来てしまえば あっという間に大量の製品が出来上がります。
今日は新規金型のトライ成形に立ち会いました。
掌に収まるサイズの小さなケースを成形。
たったスプーン1杯のペレット材から大量の製品が出来上がります。
切削で作られたものなのか
成形で作られたものなのか
遠目ではわかりにくいものですが、
よく見ると、押出ピンやゲートの跡など
成形時につく特有の「跡」を見つけることができます。
・押出ピンのあと
成形の際、樹脂は数10~数100MPaもの圧力で金型に充填され、
成形品は非常に強い力で金型に張り付いています。
エジェクタピンはこれを押し出すのですから、パーツへの食い込みが発生し、 ピンの跡が残ります。
製品の内側(裏側)によく見かける丸い跡です。
左右均等な位置に見つけることができます。
ケース形状のものには四角い跡の場合もあります。
・ゲートのあと
金型に溶融プラスチックを流入するときの入口のことです。
後処理で綺麗にすることもできますが、写真のようにゲートの周りを 凹ませて ゲートあとに手が触れてケガをしないよう工夫されている ものも多いです。
プラスチックとは言え、触れると痛いですからね!
身の回りにあるプラスチック成形品を見ていると、
「ふむふむ、ここから樹脂を流し込んで…ここで押し出しているんだな?!」と 想像が膨らみます。
金型屋さんによって、さまざまな工夫がされており
なるほど~!と感動することも多々ありますよね。
…あれ?私だけですか?
身の回りのプラスチック製品、是非一度気にしてみてくださいね。
金型の世界にも、たくさんの用語がありますので、
また書きたいと思います。
株式会社アリスでは、
試作から量産まで幅広く対応しております。
切削加工できても、射出成形できる形状であるかはまた別の話です。
量産を見据えた試作を。
実績のあるアリスだからできることだと自負しております。
成形の知識が無くてもご安心ください。
アリスと一緒に、納得のいく開発ものづくりを。
作業はシンプルに美しく略す
例えば透明切削品の透明化処理。
ポリカーボネートやアクリル、ポリメチルペンテンなど素材によって、磨きや
研磨の道具や、透明化処理の手順がまったく違います。
カタチや用途でも仕上げ方は違ってきます。
機械加工のプログラムや刃物、加工治具なども、それぞれの部品で違います。
それが一回一回新たな方法を模索するので、透明化処理の方法が進化します。
新たな開発プロセスでのものづくりを積極的に対応しているので、
どうしても複雑化していってしまいます。
複雑化していく仕事を、整理してシンプル化。
誰でもできるように標準化していく事が重要です。
シンプルイズベスト。
それにシンプルイズビューティーです。
無駄は略して、単純化すれば誰でもできるようになります。
常に標準化しながら、新しい技術にトライしていく。
(株)アリスは進化を止めない事で、貴社の研究や開発に貢献します。
銅や真鍮など金属加工のエキスパート
バスバーやプローブなど銅や真鍮の部品を製作しています。
メッキや絶縁のための塗装など、表面処理や樹脂のインサートなど
も行っています。
加工方法は切削加工であったり、板金プレスやレーザー加工など、
形状でチョイスします。
ご出図は、3D/2Dデータや図面、手書きなどこだわりません。
またわからない場合は質疑致します。
銅線やアルミ線の巻き線にも対応致します。
銅や真鍮の開発部品や試作サンプル、治具などは、お気軽にお声かけ下さい。
ヘアライン加工
【ヘアライン加工】ってご存知ですか?
私なんかはツヤッツヤの黒髪美女を思い浮かべちゃいます。
金属の表面処理のひとつなのですが、
一方方向にシャーッと髪の毛のような細かいキズをつける・磨く加工のことです。
もともとヘアライン加工が施されている金属板を購入することも可能ですが、
溶接などの加工を施した後の表面は小傷がいっぱいになりますので
ヘアライン仕上げをすることで見た目は美しくなります。
研磨ベルトを回転させることで、細かいキズをつけているのですが、
研摩ベルトの番手の種類も選ぶことができるので、
金属的な質感を強調したり、つや消しにも重宝されています。
その他、金属加工の表面処理には、ブラスト加工というものもあります。
同じくキズやツヤを消すために、加工を施されるのですが
メディアという 小さく砂のような粒を表面に吹き付けて表面を荒す加工です。
表面は小さな凸凹ができ、梨地・シボといった表現が可能です。
こちらも吹き付けるメディアの種類によって、見た目の印象や手触りが大きく異なります。
ブラスト加工を施すことにより、指紋がつきにくくなったり、キズが目立たなくなったり。
よく見ると、私たちの生活用品はこういった表面加工が施されているものがほとんどですね。
試作だから、小ロットだから、と妥協されることもあると思いますが
やはり見た目の印象、肌触り、使い勝手も大切な要素です。
どのような加工が良いのかわからない、といった問い合わせでも大丈夫です。
御使用状況や環境によってご提案させていただくことができますので
お気軽に、アリスにお問い合わせください。
天才は1%のひらめきと99%の汗
エジソンの名言。
Genius is one percent inspiration, 99 percent perspiration.
「天才は1%のひらめきと99%の汗」
この言葉は、 99%の努力しても、 1%のひらめきがないと無駄に
終わると言う意味です。
それほど、ひらめきは重要だという事です。
それでは私のような凡人はどうすれば良いのか?
それは無駄であっても努力を続ける。
99.9999999と限りなく努力だけになっても努力を続ける。
ひらめく可能性があろうが、なかろうが、続ける。
とにかく、ひらめくまで続ける。
そうしないと努力がもったいないです。
天才にはなれなくても、凡人レベルであれば標準的な人より秀でる
ことはできる。
それで十分です。
それに真剣になれば、誰でもひらめく。
凡人である私は、そう考えています。
毎日の努力を積み重ねる事で大成を成せると思います。
シリコン製キッチンツール
100円ショップなどでよく売られている樹脂製キッチングッズ。
とくに、フライ返しや、お玉、行楽用のカラフルなスプーンなど
安く入手できる上に、使い捨てとしても便利で
皆さんも使用されたことがあると思います。
樹脂製キッチングッズの欠点としては、熱に弱い点です。
鍋の淵などの熱源に柄部分があたって、溶けてしまうことはよくあるのではないかと思います。
私の家にあったお玉は、ポリプロポレン製のものでした。
耐熱温度は120度。
電子レンジで温め可能な容器も耐熱120度程度までのものが多いですが、
容器内側がザラザラに溶けたようになってしまったりすることがあるので
少し気にかけながら使用する必要がありそうです。
もっと耐熱性が優れたものといえば、「シリコン」です。
最近100円ショップにも並ぶようになってきました。
シリコンは200度を超える温度にも耐えられ、耐油性、耐酸化性にも優れた性質を持っています。
条件によっては400度の熱にも耐えられるそうで、高温環境での使用に適しています。
「シリコンスチーマー」や「シリコンゴムベラ」「離乳食用スプーン」「お弁当用シリコンカップ」など
素材の柔らかさと耐熱性を活かした商品が近年増えてきました。
私はキャンプによく行きますが、
トング、食器類、折り畳み式バケツなど
シリコン製品は大活躍です!
一般的な樹脂製品に比べると
シリコン製品はまだまだこれから増えていくように思います。
株式会社アリスでは、
シリコン製品の開発のお手伝いも可能です!
試作から量産まで、幅広く対応できますので
是非お声掛けください。
紙ベークと布ベーク
紙ベークはフェノール樹脂に紙を織り交ぜた板材です。
電気絶縁性に優れる材料の中では、比重が軽く、コストも安価であることから
昔からよくご注文をいただいております。
似た素材に、布ベークもあり
フェノール樹脂に布を織り交ぜた板材です。
紙ベークが電気絶縁に優れていることに対して、布ベークは耐衝撃性に優れています。
材質としての注意点は、
紙・布を基材にしているため、吸水しやすいというところです。
最近加工屋さんではベーク材を加工してくれないことがあるそうです。
そんな時は、アリスにお声掛けください!
図面から、フリーハンドの簡単な絵から、製作のご依頼可能です。
ゴム部品の試作から量産部品まで!!
ゴムの試作品を製作しています。
簡単なカットや穴あけ、丸ものなどは機械加工で対応します。
機械加工では製作できないカタチの場合は、真空注型などで製作しています。
数量が多い場合は射出成形で金型を製作して製造します。
硬度は、±10°で選んでいただきます。
色も、透明、黒、白、ご指定色の近似色で製作できます。
少量のシリコンゴム部品や試作品は、アクリル簡易金型を製作して
キャストします。
硬度は量産部品と同じ設定ができます。
ゴム部品の開発試作から部品加工は、ぜひお気軽にお声かけ下さい。
POMにしようかな? MCナイロンにしようかな?
お客様によっては、あまり材料の種類にこだわりのない方がいらっしゃいます。
こだわりなく【知ってる材料】を使用される場合が多いと思います。
でも・・・ その材料選定、本当にテキトーでいいのでしょうか?
ご存知のとおり、プラスチック材料の種類はかなり豊富で
用途や予算で様々なチョイスが可能です。
「うちの工場で使ってる機械の部品、白っぽいからPOMでいいや」
「MCナイロンってPOMより特性が優れてるらしいから、MCナイロンにしよう」
もちろん現状使用されていて、問題が無ければそれで良いのですが
樹脂部品の多くは劣化や消耗するものですから、
できるだけ特性を生かして長く使いたいですよね。
弊社でもよく扱う材質の中にPOM(ジュラコン)とMCナイロンがあります。
どちらも自己潤滑性、剛性や靭性といった機械的特性に優れた素材ですが、
用途によって、使い分けた方が良い場合がございます。
以下、それぞれの特性についてご紹介いたします。
■POM(ポリアセタール/ジュラコン)
高い強度や耐摩耗性が要求される製品に使用されます。
連続使用温度95度の熱に耐え、弱酸に対して耐性があります。
比較的安価な材質で、食品衛生法に適合しています。
代表的なもの:
歯車(ギア)や、ベアリング、プーリーといった回転運動で稼働されるパーツ
ブラシの柄や、ドアハンドル、フック、ファスナー等強度が必要な日用品
リコーダーや木管・金管楽器パーツ
医療現場などでこまめに消毒されるパーツ
短所:
難燃性が低く、火を取り扱う場所では注意が必要。
耐候性が低いため、紫外線や光により変色・劣化する。
接着性が低いため、メッキや塗装による表面処理に不向き。
■MCナイロン
特有の粘りがあり、機械的強度や耐摩耗性は優れるため、寿命が長い。
一般6ナイロンに比べ様々な分野で平均以上の物性値を誇ります。
連続使用温度120度の熱に耐え、有機溶剤に強い。
ナイロンのため吸水性があり、接着が行えます。大きな材料サイズもあります。
食品衛生法に適合しています。
耐候グレードや、導電グレードなど用途に合わせて選択可能。
代表的なもの:
歯車(ギア)や、ローラーなど回転運動で稼働させるパーツ
野外でも使用される台車の車輪やキャスター、ガイドレール(耐候グレード)
電子部品に使用されるパレット、治具、ガイド(帯電防止グレード)
短所:
吸水性があるため、寸法精度が低い。
酸に弱い。
…以上の点から、
使用用途や環境、求める特性によって使い分けをされた方が
良いことが分かります。
似たような特性なので、
同じような使い方をされても問題がない場合が多いですが
一度、検討してみてはいかがでしょうか?
安価にギアを作りたい
→POM
摩耗する速度を落としたい
→MCナイロン
紫外線や光による劣化を防ぎたい
→MCナイロン
寸法精度が必要なギア、ガイドなど
→POM
水を扱う環境で使用する
→POM
衝撃が多く加わるパーツ
→MCナイロン
医療現場で消毒するパーツ
→POM
顕微鏡など精密な寸法が必要なパーツ
→POM
大きなサイズの摺動パーツ
→MCナイロン
難燃材のパーツがほしい
→MCナイロン
コピー機の紙送りなど 自己潤滑性が高いパーツ
→POM
※形状や使用用途によって異なる場合もありますが
参考にしていただければ幸いです。
MCナイロンやPOM以外にも、機械に使用される材質はたくさんございます。
他の樹脂の特性については、また別の機会にご紹介いたしますね。
株式会社アリスでは、
材料のご提案も含め、お見積りをさせていただいております。
エンジニア様、お客様の良きパートナーとして
役立てるよう努めてまいります。
お引き合い・ご相談お待ちしております!
ノズルのステンレス加工
ステンレスの旋盤加工品です。
ノズルとして生産ラインで使われる部品です。
内側はテフロンコーティングで滑らかにしています。
こういったステンレスの機械加工はぜひお気軽にお声かけ下さい。