プラスチック試作の流れ_前編:デザイン確認から始まる試作
新製品開発では、まず最初にデザイン確認用の試作モデルが作られます。
これは一般にモックアップと呼ばれ、製品の形状やサイズ感、全体のバランス、見た目の印象を確認するための試作です。
研究開発の初期段階では、図面や3Dデータだけでは分からない違和感が数多く存在します。
実際に手に取って確認することで、「思っていたより大きい」「操作しにくい」「他部品と干渉しそう」といった課題が見えてきます。
モックアップは、そうした気づきを早い段階で得るための重要な工程です。
この段階では、
「この形状で問題ないか」
「次の機能検証に進めるか」
を判断する役割を担っています。
ここでの確認が不十分なまま次工程へ進むと、後工程での大幅な修正や手戻りにつながり、開発全体の時間とコストが増えてしまいます。
プラスチック試作の流れ_後編:量産と生産現場につなげる試作と治具
ワーキングモデルで問題点を整理した後は、量産を見据えた試作工程へと進みます。
試作金型を用いた簡易的な射出成形を行い、射出条件や金型構造を事前に確認していきます。
この段階で条件出しを行っておくことで、本番金型での立ち上げがスムーズになり、量産開始時のトラブルを抑えることができます。
試作は単なる確認作業ではなく、量産工程をプロセスとして整えていくための重要な準備です。
部品仕様が確定すると、次は製造や組立、検査に使用する治具の製作へと進みます。
治具は、生産現場の作業性や品質の安定に直結する重要な要素です。
治具が適切に設計されていないと、作業効率の低下や品質ばらつきの原因になります。
研究開発段階から積み重ねた試作の知見を活かし、生産現場で「使える治具」を用意することで、安定したものづくりが可能になります。
研究開発から生産現場までを一貫して考える。
それが、プラスチック加工.comが考えるプラスチック試作の役割です。
プラスチック試作の流れ_中編:実際に使うためのワーキングモデル
デザインが確定すると、次はワーキングモデルの製作に進みます。
ワーキングモデルは、見た目だけでなく、実際に使うことを前提とした試作です。
この工程では、機能確認や機構検証、組立性のチェック、生産工程の検討などが行われます。
部品同士がスムーズに組み付くか、可動部に無理がないか、作業手順に問題がないかといった点を、現物を使って確認します。
また、加工方法や材質を含めて検証することも重要です。
設計通りに加工できるか、必要な精度が出るか、強度や耐久性は足りているか。
図面上では問題がなくても、実際に加工・組立を行うことで初めて見えてくる課題も少なくありません。
この段階で課題を洗い出し、修正を重ねることで、量産時のトラブルを大幅に減らすことができます。
ワーキングモデルでの試作は、量産品質を支える土台となる工程です。
集中するために、余計なことは削ぎ落とす
試作や一品加工の現場では、集中力が仕上がりに直結します。
同時に、力を入れすぎると判断が硬くなり、無駄な手戻りが増えることもあります。
プラスチック加工.comでは、必要なことに集中し、それ以外は抱え込みすぎないという考え方を大切にしています。
一つの課題に没頭することで、加工条件や形状の違和感に気づきやすくなり、結果として品質が安定します。
新しい加工方法や他社事例、周囲の意見も参考にしますが、すべてを鵜呑みにすることはありません。
自分たちの現場で本当に使えるかどうかは、実際に試して判断します。
余計な情報に振り回されず、必要なものだけを選び取ることで、加工の精度とスピードを両立します。
やるべきことに集中し、阻害要因は最小限にする。
その積み重ねが、無理のない加工提案と安定した品質につながります。
それが、プラスチック加工.comの考えるものづくりです。
迷う現場だからこそ、冷静な判断が品質をつくる
開発試作や小ロット加工では、最初から正解が決まっていないケースが多くあります。
形状、材質、加工方法、精度条件。
限られた情報の中で、どの選択をするかが結果を大きく左右します。
プラスチック加工.comでは、その時点で最善の判断を積み重ねることを大切にしています。
後から別の方法が見えたとしても、当時の条件を整理し、次に活かす。
この繰り返しが、安定した品質と対応力につながります。
試作・治具・一品加工では、やり直しが前提になる場面も少なくありません。
だからこそ、感情的にならず、状況を冷静に整理しながら進めることが重要です。
判断を責めるのではなく、判断を活かすことで、無駄な手戻りやトラブルを減らします。
分かりやすく、無理のない加工提案。
現場視点での現実的な判断。
それが、プラスチック加工.comのものづくりです。
透明仕上げは、実は難しい
透明に仕上げるのは、簡単なことではありません。
画像のサンプルは、ポリカーボネートを
NCマシニングセンタで切削加工して製作したものです。
加工形状自体の難易度は高くありません。
しかし、このような単純な形状ほど逃げ道がなく、
仕上がりの良し悪しがはっきりと表れます。
ごまかしが効かないため、きれいに仕上げるには
高い仕上げ技術が必要になります。
このサンプルは、透明仕上げ技術向上のための練習用として製作しました。
あえてシンプルな形状にすることで、
加工条件・研磨工程・透明処理の完成度を磨いています。
こうした練習を重ね、きれいに仕上げられるようになることで、
実際の開発品や量産前評価品でも、確かな品質を提供できるようになります。
お客様の開発に役立つ、東大阪発のプラスチック加工
プラスチック加工.comを運営するアリスは、
大阪のものづくりの街として知られる東大阪市に拠点を構えています。
私たちの使命は、
お客様の開発プロセスに「本当に役立つ会社」であり続けること。
安心して「ものづくり」や「試作品」を任せていただけるよう、
日々の創意工夫と改善を習慣とし、
さらなるスピードアップとコストダウンに取り組んでいます。
同時に、日本のものづくり企業として欠かせない
高品質を守り続けることを何より大切にしています。
また、ご要望の背景や意図を深く理解する感性を磨き、
単なる部品加工にとどまらず、
納品後に真価を発揮する、使い勝手の良い品質をお届けしたいと考えています。
これからも内製による技術力を高めながら、
東大阪という地の利を活かし、
ネットワークやコラボレーションも積極的に活用することで、
お客様の期待に応え続けてまいります。
今後とも、プラスチック加工.comを
どうぞよろしくお願い申し上げます。
切削したポリカーボネート樹脂の透明仕上げ
ポリカーボネート樹脂は、本来高い透明性を持つ材料ですが、
切削加工を行うと、加工面が白く濁ってしまいます。
この白濁を取り除き、透明感を取り戻すためには、
単に磨くだけでは不十分です。
切削条件を適切に設定し、丁寧な研磨工程を重ね、
さらに透明処理を施すことで、はじめて美しく輝く仕上がりになります。
この加工には、
CAD/CAMによる高精度なプログラミング力、
安定した機械加工技術、
そして最終品質を左右する仕上げの技術まで、
すべての工程で高い技術力が求められます。
一つでも工程を誤れば、透明感は大きく損なわれてしまいます。
そのため、経験・感覚・理論に基づいた加工が不可欠です。
プラスチック加工.comでは、
切削から仕上げまでを一貫して管理し、
切削加工品でありながら、透明感のある
ポリカーボネート製品を製作しています。
学校教材を試作から量産まで一貫製作
小学校1年生が授業で使用する学校教材を、
試作品から量産品まで一貫して製作しました。
完成品は中部地方の学校へ無事に発送しています。
本案件は、他社では対応が難しいとの理由で製作を断られ、
プラスチック加工.comへご相談いただいたことがきっかけでした。
形状やサイズについては、関係者の意見を踏まえながら
何度も検討を重ねて決定しています。
素材は、安全性と使いやすさを考慮し、
プラスチック加工.comにて選定しました。
先生方が段ボールで作成された原案をもとに、
複数素材で試作サンプルを製作し、最適な仕様を決定しました。
量産までの納期は約1週間、数量は25,000枚。
短納期・多数量という条件でしたが、
工程と段取りを工夫し、品質を維持したまま
予定通り量産・出荷を完了しました。
お子様が実際の授業で使用する教材だからこそ、
品質・安全性・使いやすさには一切妥協していません。
プラスチック加工.comでは、
教育現場で使われる製品についても、
試作1点から量産まで柔軟に対応しています。
シルク印刷用の簡易治具
シルク印刷は、基本的に平らな面への印刷が得意な工法です。
そのため、円筒形や曲面のあるワークには、そのままでは印刷できないケースがあります。
そこでプラスチック加工.comでは、ワークを回転させながら印刷できる簡易治具を考案しました。
一度に印刷するのではなく、ワークを回転させて3回位置をずらして印刷することで、曲面形状にも対応しています。
この治具で重視したポイントは、
「早く」「簡単に」「安く」、そして必要な精度をきちんと確保すること。
複雑な構造にせず、現場で使いやすいシンプルな構成にしています。
治具は、印刷だけでなく、検査・組立・加工・表面処理など、
さまざまな工程で活躍する重要な道具です。
用途や現場に合わせて工夫することで、作業効率は大きく向上します。
治具づくりは、実はとても奥が深い分野なのです。
